ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2018.10.30 09:46日々の出来事

ハラスメントと憎悪と分断

今期、いろいろテレビドラマを見て来たが、徐々に
飽きるのも出始め、「ハラスメントゲーム」が一番
面白いと思うようになった。

昨夜は「パタハラ」というのが出てきて、イクメンが
午前10時に出社して、午後4時になるとさっさと
帰って行くのを、残業している同僚が白い目で見たり、
上司が非難する。これを「パタハラ」と言うらしい。

ところがそのイクメンは帰宅して育児していたのでは
なく、ネットで副業をしていたということが発覚する。
こういうのを「ブラックイクメン」と言うらしい。

何でもかんでもハラスメントになってる現代を、いい
タイミングで実に巧妙に脚本にしている。

将来的に、本当にイクメンが午後4時に帰るのが普通
という時代が来るのだろうか?
わしはあり得ないと思う。

よっぽど中小零細企業までが儲かってる超高景気の
時代が来なければ、従業員が残業せずに午後4時で
さっさと帰ってしまうようでは、小さな会社は倒産
するだろう。

ブラック企業という話もよく聞くが、果たして実態は
どうなんだろうと首を傾げる。
日本が少子高齢化で、若者の人口が減っているという
こともあるが、その若者が少しばかり厳しい労働環境
にも耐えられなくなっているのではないか?

職人の世界では日本人の若者が後を継がないから、
外国人が日本人の伝統的な職業の後継者になっている。
3Kと言われる建設や船舶などの現場でも、
外国人労働者がいなければ成り立たない有り様だ。
日本でもすでに移民を受け入れるしかない事態になっ
ているのだろう。

当然、外国人労働者への偏見もハラスメントになる
はずだし、人権と平等が絶対的な価値となって、
それに反発するヘイトも止むことはなさそうだ。
欧米と同様に、憎悪と分断の社会に、日本も突入
していくしかないようだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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